【用語集】CAC (顧客獲得コスト) とは?種類や計算方法、LTVとのバランスを解説!
CACとは?
CACとは、Customer Acquisition Cost (顧客獲得コスト) の略で、新規顧客を1人獲得するのにかかる費用のことです。
CACは、顧客獲得の方法によって以下の3つに分類されます。
①Paid CAC (有料施策による顧客獲得コスト)
有料の広告や販促活動によって獲得した顧客に対するCACを指します。具体的には、Google広告やFacebook広告などの費用が含まれます。
②Organic CAC (自然流入による顧客獲得コスト)
自然検索やブランド認知度、口コミなどによって自然に流入した顧客に対するCACを指します。Organic CACは、コンテンツマーケティングやSEO対策などの長期的な取り組みによって改善できます。
③Blended CAC (上記2つを合算した顧客獲得コスト)
Paid CACとOrganic CACを合算したものがBlended CACです。全体的な顧客獲得コストを把握するために用いられます。
CACの計算方法
CAC (顧客獲得コスト) は、マーケティングにかけた費用を、獲得した新規顧客数で割ることで計算します。
CAC(顧客獲得コスト) = マーケティングの費用 ÷ 獲得した新規顧客数
例えば、100万円のマーケティング費用で1,000人の新規顧客を獲得した場合、CACは以下の計算で求められます。
100万(円)÷1,000(人)=1,000(円)
この場合、CAC、つまり新規顧客を1人獲得するのにかかる費用は1,000円になります。
マーケティング総費用
マーケティングにかけた総費用には、広告費、人件費、制作費など、顧客獲得に関わるすべての費用が含まれます。
CACに含まれる費用は、事業の性質によって異なりますが、一般的には以下のようなものが想定されています。
- 広告費 (Google広告、Facebook広告、ディスプレイ広告など)
- 人件費 (マーケティング担当者の給与、外注費など)
- 製作費 (ランディングページ制作、クリエイティブ制作など)
- イベント費用 (展示会出展、セミナー開催など)
- ツール費用 (マーケティングオートメーション、CRMなど)
正確なCACを出すには、これらの費用を適切に把握し、新規顧客数を正確に測ることが大切です。
これらの費用を適切に管理し、CACを最適化することが、事業の収益性を高めるために重要になります。
CACの重要性
CACは、マーケティング活動の効果を測定し、事業の収益性を評価する上で非常に重要な指標になります。
CACは、経営意思決定へ活用することができるのです。
具体的には、CACを把握することで、経営者はマーケティング予算の適切な配分や、事業の成長戦略の策定に役立てることができます。
CACが高い場合は、マーケティング予算を見直したり、顧客獲得方法を改善したりする必要があります。逆に、CACが低い場合は、マーケティング投資を拡大し、事業の成長を加速させることができます。
このように、CACは事業の収益性を左右する重要な指標であり、その最適化に取り組むことが、持続的な成長を実現するために不可欠です。
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CACとLTVの関係
LTVとは、顧客生涯価値(Customer Lifetime Value)の略で、ある顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益の総額のことです。
つまり、LTVは、一時的な売上だけでなく、顧客がもたらす長期的な価値を評価する指標になります。
LTVの計算方法は、事業の性質によって異なりますが、一般的には以下の式で表されます。
LTV =(平均購入額 × 購入頻度 × 顧客継続期間)
平均購入額は、顧客1人当たりの平均的な購入金額を指します。購入頻度は、顧客が一定期間内に何回購入するかを示します。顧客継続期間は、顧客が企業との関係を維持する期間を表します。
LTV(顧客生涯価値)とCAC(顧客獲得コスト)を比べることで、「顧客獲得にかけたコストが、長期的にどれだけの利益を生み出すか」を判断することができるのです。
事業の収益性を高めるためには、CACとLTVのバランスを適切に保つことが重要です。
CACとLTVの適正バランス
一般的に、LTVはCACの3倍以上であることが理想とされています。
つまり、顧客獲得に1円かかる場合、その顧客から生涯にわたって3円以上の利益を得ることができれば、事業の収益性が高いと言えます。
ただし、この比率は業界によって異なります。
バランスを保つためのポイント
CACとLTVのバランスを保つためには、以下のようなポイントに注目することが重要です。
顧客生涯価値の向上策
顧客満足度の向上、ロイヤルティプログラムの導入、パーソナライズされたコミュニケーションなどにより、顧客生涯価値を高めましょう。
解約率の低減
顧客の解約理由を分析し、解約率を低減するための施策を実施するべきです。例えば、オンボーディングの改善、カスタマーサクセスの強化、顧客フィードバックの活用などが挙げられます。
アップセル・クロスセルの活用
既存顧客に対して、より高価値な商品やサービスを提案(アップセル)したり、関連商品を推奨(クロスセル)したりすることで、顧客生涯価値を高めることが可能です。
バランスが悪化した時の対処法
CACとLTVの比率が悪化した場合は、以下のような対処をしましょう。
CACの削減
マーケティング活動の効率化、チャネルの最適化、ターゲティングの改善などにより、CACを削減することが大切です。
LTVの向上
顧客満足度の向上、アップセルやクロスセルの実施、解約率の低減などにより、LTVを向上させましょう。
価格戦略の見直し
商品やサービスの価格設定を見直し、利益率を改善する必要があります。
まとめ
CACは、事業の収益性を評価し、持続的な成長を実現するために欠かせない重要な指標です。
先ほども述べたように、CACを適切に管理し、LTVを向上させることで、事業の収益性を高めることがで可能になります。
CACとLTVのバランスを最適化し、顧客中心の経営を実践することが、ビジネスの成功の鍵を握っているのです。
本記事を参考に、これらの指標を適切に管理して、バランスの取れた事業運営を目指していただければ幸いです。