【用語集】LTV(顧客生涯価値)とは?計算方法や活用方法、向上させる施策を解説!

目次

LTVとは?

LTV(Life Time Value)とは、顧客生涯価値のことを指します。一人(または一社)の顧客が、サービスや製品を利用し続ける期間中に生み出す総収益を表す指標です。

LTVは、顧客獲得コストと比較することで、マーケティング投資の効率性を評価したり、顧客セグメントごとの価値を把握したりするのに役立ちます。

LTVの計算方法

LTVの計算には様々な方法がありますが、最も基本的な計算式は以下の通りです。

LTV = 顧客の平均購入金額 × 購入頻度 × 顧客の平均継続期間

例えば、ある顧客が平均して月に1回、5,000円の商品を購入し、3年間継続して利用すると仮定した場合

LTV = 5,000円 × 12回/年 × 3年 = 180,000円

となります。

より精緻な計算を行う場合は、以下の要素も考慮に入れることがあります。

  • 利益率:売上からコストを差し引いた純利益を基に計算
  • 割引率:将来の収益を現在価値に換算する際の割引率
  • チャーンレート:顧客が離脱していく率

LTVを構成する3つの要素

ここでは、LTVの計算に用いた3つの要素を解説します。

①平均購入金額

顧客が1回の取引で支払う平均金額を指します。

これは、総売上を総取引数で割ることで算出が可能です。

例えば、月間総売上が100万円で、取引数が200回の場合、平均購入金額は5,000円(100万円 ÷ 200回)となります。

②購買頻度

一定期間内に顧客が購入する平均回数を表します。これは、総取引数を総顧客数で割ることで求められます。

例えば、月間の総取引数が200回で、顧客数が50人の場合、購買頻度は4回(200回 ÷ 50人)となります。

③顧客の平均継続期間

顧客がサービスや製品を利用し続ける平均期間を指します。これは、1をリテンション率(顧客離脱率)で割ることで概算できます。

例えば、月間の顧客離脱率が2%の場合、顧客の平均継続期間は50ヶ月(1 ÷ 0.02)と推定されます。

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LTVの活用方法と重要性

LTVを正確に把握し分析することで、以下のように、経営に関する判断を下すことができます。

顧客獲得コストの最適化

LTVと顧客獲得コスト(CAC)を比較することで、マーケティング投資の効率性を評価できます。

一般的に、LTVがCACの3倍以上であれば、健全な状態だと考えられています。この比率を常に意識することで、適切なマーケティング予算の配分が可能になります。

顧客セグメンテーションの改善

顧客をグループ分けし、それぞれのLTVを計算することで、特に価値の高い顧客層を見つけ出すことができます。

この情報を基に、特定の顧客層により多くの経営資源を投入したり、ターゲットを絞ったマーケティング戦略を立てたりすることが可能になるのです。

製品・サービスの改善指針

LTVを構成する要素(平均購入金額、購買頻度、顧客生存期間)を詳しく分析することで、どの部分に改善の余地があるかが明らかになります。

例えば、顧客の利用期間が短いことが分かれば、顧客満足度を高めるための施策や、解約を防ぐための施策が必要になるでしょう。

このように、LTVは事業の成長戦略を考える上で欠かせない重要な指標です。

適切にLTVを管理し、継続的に改善していくことで、長期的に安定した事業運営が可能になるでしょう。

LTVを向上させるための施策

アップセル・クロスセルの推進

顧客に対して関連商品やサービスを提案したり、より高機能な上位プランへの移行を促したりしましょう。

顧客一人あたりの平均購入金額を増やし、LTVを向上させることができます。

顧客エンゲージメントの向上

顧客とのコミュニケーションを定期的に行い、有益な情報や付加価値のあるサービスを提供しましょう。

顧客エンゲージメントを向上させることで、顧客の購買頻度を高め、サービスを利用し続ける期間を延ばすことが可能になります。

製品やサービスの継続的な改善

顧客からのフィードバックを積極的に集め、それを製品やサービスの改善に活かすことで、価値を高めていきましょう。

顧客の意見を反映させることは、製品やサービスの長期的な利用を促進し、LTVの向上につながります。

これらの取り組みを総合的に実施することで、LTVを高め、事業の持続的な成長が実現するのです。

まとめ

今まで述べてきたように、LTV(顧客生涯価値)は、戦略的な意思決定を可能にする重要な指標です。

LTVを軸とした戦略を展開することで、持続可能な事業成長と顧客満足度の向上の両立を図ることができるでしょう。

本記事を参考に、LTVを適切に把握し、顧客価値の最大化に向けた戦略立案に役立てていただければ幸いです。

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