【用語集】粘着性(スティッキネス)とは?意味や計算方法を解説|サービスの利用頻度を示す指標

モバイルアプリやWebサービスの運営において、ユーザーエンゲージメントを測定する上で重要な指標の1つが「粘着性(スティッキネス)」です。

粘着性とは、サービスがどれくらいの頻度で利用されているかを測る指標です。

粘着性は、DAU/MAU比率とも呼ばれ、DAU(Daily Active Users:1日のアクティブユーザー数)をMAU(Monthly Active Users:月間アクティブユーザー数)で割った比率で表されます。

ここでは、粘着性の意味や計算方法、改善方法などについて詳しく解説します。

パキシーノでは、企業のカスタマーサクセス部門の立ち上げや運営に役立つホワイトペーパーを配布しております。

カスタマーサクセスとは、サブスクリプション型ビジネスを中心に注目が高まっている顧客志向の考え方です。新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の継続的な利用拡大に重点を置いています。カスタマーサクセスの目的や重要性、導入時のポイントなどを解説しつつ、10個の「勝ちパターン」を紹介しています。

ご興味ある方、CS部門運営でお悩み、ご検討の方は下記よりダウンロードおよび無料で相談いただけます。ぜひともお問い合わせください。

目次

粘着性(スティッキネス)を理解するための前提知識

粘着性を理解するためには、まずDAUとMAUの意味を正しく把握することが重要です。

DAU(Daily Active Users:1日のアクティブユーザー数)とは

DAUは、1日の間にアプリやサービスを利用した実際の人数を指します。

例えば、1人のユーザーがあるアプリを1日に複数回利用しても、DAUではその人を1人としてカウントします。

つまり、DAUは重複を排除した、一日の実ユーザー数を表しています。DAUは、アプリの一日の利用状況を把握するのに適した指標です。

MAU(Monthly Active Users:月間アクティブユーザー数)とは

MAUは、1ヶ月の間にアプリやサービスを利用した実際の人数を表します。

こちらも、月内に複数回利用したユーザーは1人としてカウントされます。

MAUは、アプリの月の利用者数を把握するのに適しています。

粘着性(スティッキネス)とは

粘着性とは、ユーザーがどれだけアプリやサービスに「粘着」しているかを示す指標です。

言い換えると、ユーザーがアプリを頻繁に利用し、長期間にわたって継続的に使用しているかどうかを表します。

粘着性(スティッキネス)の計算方法

粘着性は、DAUをMAUで割った比率で計算されます。

粘着性 = DAU ÷ MAU × 100

例えば、あるアプリのDAU(1日のアクティブユーザー数)が10万人、MAU(月間アクティブユーザー数)が50万人だとすると、粘着性は以下のように計算されます。

粘着性 = 100,000(DAU) ÷ 500,000(MAU) × 100= 20%

この場合、月間利用者の20%が毎日アプリを利用していることになります。言い換えると、月間利用者の5人に1人が毎日アプリを開いているということです。

粘着性(スティッキネス)が意味すること

粘着性(DAU/MAU)が高いほど、ユーザーがアプリを頻繁に利用し、アプリに対する依存度が高いことを示します。

例えば、粘着性が50%のアプリは、月間利用者の半分が毎日アプリを利用していることになります。これは、ユーザーにとってアプリが日常生活に欠かせない存在になっていることを意味しているでしょう。

逆に、粘着性が5%のアプリは、月間利用者のうち毎日アプリを利用するユーザーがわずか20人に1人しかいないことになります。このようなアプリは、ユーザーにとって必要不可欠ではなく、代替可能な存在だと言えます。

このように、DAU/MAUの比率が高いほど、ユーザーがアプリに「粘着」している度合いが高く、アプリがユーザーの日常生活に深く浸透していることを示しているのです。

 DAUとMAUの関係性

粘着性を理解する上で、DAUとMAUの関係性を把握することも重要です。一般的に、以下のような関係性があります。

  • DAUがMAUに近いほど、粘着性が高い
  • DAUがMAUに比べて著しく低い場合、粘着性が低い
  • MAUが増加しても、DAUが伸びない場合、粘着性は低下する

例えば、あるアプリのMAUが増加しているにも関わらず、DAUが横ばいであれば、新規ユーザーの定着率が低いことが考えられます。

このような場合、ユーザーの初回利用体験の改善や、リテンション施策の強化が必要でしょう。

粘着性の基準

一般的に、粘着性が高いほどユーザーエンゲージメントが高く、アプリの利用頻度が高いと言えます。しかし、アプリやwebサービスのジャンルや特性によって、粘着性の水準は大きく異なります。

例えば、ソーシャルメディアやゲームアプリは、1日に何度もアクセスするユーザーが多いため、粘着性が高くなる傾向にあります。

一方、旅行予約アプリや不動産情報アプリなど、利用頻度が低いアプリの粘着性は低めです。

自社アプリや、webサービスの粘着性を評価する際には、同じカテゴリーの他社アプリと比較することが重要です。

競合アプリよりも粘着性が低い場合は、ユーザー体験の改善や新機能の追加など、エンゲージメント向上のための施策を検討しましょう。

粘着性を高めるための施策

①プッシュ通知の活用

ユーザーに適切なタイミングで通知を送ることで、アプリの利用を促進できます。

ただし、過度な通知はユーザーの離脱につながるため、配信頻度や内容には注意が必要です。

②パーソナライズ機能の強化

ユーザーの行動履歴や嗜好に基づいて、おすすめコンテンツや機能を提示することで、エンゲージメントを高められます。

機械学習などの技術を活用し、パーソナライゼーションの精度を高めることが重要です。

UI/UXの最適化 

アプリの操作性や視認性を向上させることで、ユーザーの利用頻度を高められます。

定期的にユーザーテストを実施し、改善点を見つけていくことが大切です。

まとめ

粘着性(スティッキネス)は、アプリやサービスの成長を評価する上で欠かせない指標です。

DAUとMAUの意味を正しく理解し、自社アプリの特性を踏まえつつ、ユーザーのニーズに合わせて粘着性を高めていくことが、ビジネスの成功につながるでしょう。

もっと学びたい方へ – 次におすすめの用語

目次