顧客満足度を高めるためのアプローチ(1): ライトサクセス・自走という概念
パキシーノ代表の増田です。
今年1月頃にやっとパキシーノで実現したい世界が見つかり、CX事業のコンサル事業を立ち上げています。
そのなかで、いくつもお客様をご支援させて頂く機会が増え、顧客満足度を高めるためのアプローチ、の理解が高まってきました。
この記事では、顧客満足度を高めるためのコツとして、「ライトサクセス」「自走」という概念を説明します。
ライトサクセスという概念
まず最初に取り上げるのは「ライトサクセス」という概念です。
これは、国内カスタマーサクセスの第一人者である山田ひさのりさんが提唱している概念です。
ライトサクセスは山田さんが独自に定義した概念のようですが、シンプルに言うと、現場レベルで顧客がサクセスしている状態を指します。サクセスが何かという話は別にありますが、現場の方が喜んでいる概念と考えればまずよいでしょう。
山田さんは、Sansanを例に以下のように述べられていました。
ライトサクセス(現場が喜ぶ)
- 名刺を持ち歩かなくてよくなる
- 名刺フォルダーでデスク周りがかさばらない
- 名刺をもらった相手の連絡先をクラウド上で管理し、スマホから閲覧できる
ディープサクセス(経営が喜ぶ)
- オンラインとオフライン両方の接点をSansanに集約して顧客データベースを構築できる
- 人脈を社内で共有できるのでビジネスチャンスが広がる
もちろんサクセスは顧客・サービスによって違うので、一概には言えません。
ただ、重要なのは、自社のビジネスに置き換えたときに、どうしたら短期的に成果が出て、お客さまが満足してくれるかという点です。
ビジネスの本質が「売上を上げる」「コストを下げる」とした場合に、すぐこの効果が出るかと言うと、なかなか難しいものがあります。特に売上については、半年・1年はかかることも多く、投資して良かったと思えるようなタイミングはすぐ来ません。
また、セールスもお客様への期待値として、「売上を上げる」「コストを下げる」ということを伝えているケースが多いです。そうなると、お客様としても大きな効果を期待しているのに、なかなか成果が出ないということも起きがちです。
なので、自社サービスにとって、ライトサクセスとは何かという点をまず整理する必要があります。
顧客が自走するための事前準備
次に、「サクセス」に至るまでに、「顧客が自走するための事前準備」というものが必要なのではと考えるようになりました。
これまでいくつも企業様から相談を頂き、色々現状を拝見させていただきました。
たとえば、SaaS型のビジネスモデルだと以下のような点が共通してあることがわかってきました。
- KPIは見ているものの、顧客がどこまでいったら、成果がでるかが言えない(ライトサクセスが何かが分からない)
- それに加えて、どこまでやったら、顧客が自走できるかの整理ができていない
- そのため、顧客が自走できず、成果もあがらない状態になってしまっている
- 結果的に解約率があがってしまう
サクセスの概念だけではなく、そもそも自走してもらうための準備もできていない状況なのです。契約後にフォローしきれてないわけですね。
もう少しわかりやすい例として、受験勉強をあげましょう。受験勉強をサポートする場合、以下のようなステップになるはずです。
- ① まず勉強内容や勉強の仕方を教えて、まず生徒自身で学習できる状態を作る
- ② 生徒が自習したりして、授業時間以外も学ぶようになる
- ③ 結果的に、点数があがる
- ④ 最終的に、志望校に受かる
この①〜③があるはずです。ダイエットや筋トレでも同じですかね。いかに教えている時間以外で自走してもらうかがキーになります。
一方SaaSとした場合、④の効果は見えているのですが、①〜③が見えてないことが多い印象です。
ライトサクセスは③と理解していますが、その手前の環境を作ることもできていない状態です。
サクセスの領域だと、これはオンボーディングというのですが、シンプルに「自走」と理解頂くでも良いかもしれません。
重要なのは、「お客さまはどこまでやったら、サクセスしますか?」「お客さまはどこまでやったら、自走できますか?」といった質問に答えられるようにすることです。
セールス時に、「過去の実績を元にすると、大体ここまではお客さまに作業頂く必要があります。そうしないと逆に成果が出ない可能性があります。しっかり伴走するので、そこまで一緒に頑張ってみませんか?」といった感じで伝えられていますでしょうか。
終わりに
ライトサクセス・自走という概念が重要とお伝えさせていただきました。
この記事を読んでいるということは、すでにお客さまがいて売上が立っているはずです。それ自体すごいことですので、ぜひ次のステップとして、ライトサクセス・自走という世界にチャレンジしていただければと思います。
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