カスタマーエクスペリエンス(CX) コンサルティングのメリットは?具体的なプロセスと併せて解説!
はじめに
企業が持続的に成長するためには、質の良いカスタマーエクスペリエンス(CX)を提供することが大切です。
カスタマーエクスペリエンス(CX)とは、顧客が企業の製品やサービスと接する際の総合的な体験のことを指します。具体的には、製品やサービスの品質に始まり、購入から使用、アフターサービスなど、顧客が抱くすべての感情や印象がCXに含まれます。
質の良いCXを実現することで、顧客満足度を向上させるだけでなく、顧客のロイヤリティ向上や収益増加にも影響を与えます。
一方で、質の良いCXを提供するには、顧客のニーズを的確に捉え、それに合わせて組織全体で取り組む必要があります。そのため、自社でCXの改善に取り組むことは決して簡単なことではないでしょう。
そこで、本記事ではCXコンサルティングについて解説していきます。CXコンサルティングを活用することで、企業はCXを徹底的に分析し、効果的な改善策を立案・実行できるようになるはずです。
パキシーノでは、企業のカスタマーサクセス部門の立ち上げや運営に役立つホワイトペーパーを配布しております。
カスタマーサクセスとは、サブスクリプション型ビジネスを中心に注目が高まっている顧客志向の考え方です。新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の継続的な利用拡大に重点を置いています。カスタマーサクセスの目的や重要性、導入時のポイントなどを解説しつつ、10個の「勝ちパターン」を紹介しています。
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カスタマーエクスペリエンスとは?
カスタマーエクスペリエンスの定義
カスタマーエクスペリエンス(CX)とは、顧客が企業の製品やサービスに触れる過程で抱くすべての体験のことを指します。
単に製品の性能や価格だけでなく、購入を検討する最初の段階から、実際に購入し利用した後のアフターサポートに至るまで、顧客が企業に対して抱くあらゆる印象が含まれます。
つまり、ウェブサイトの使いやすさやスタッフの対応の良し悪し、ブランドイメージなど、顧客と企業が接する全ての場面におけるプラスの体験とマイナスの体験が、CXを形作る重要な要素となるのです。
カスタマーエクスペリエンスの重要性
近年、製品の質だけでなく、CXの質が顧客の満足度やロイヤリティを大きく左右するようになっています。そのため、CXは企業経営において重要視されるようになっています。
素晴らしい体験を提供された顧客は、その企業への信頼感を高め、継続して製品を購入したり、他者に製品を薦めたりするようになります。一方で、ネガティブな体験を抱いた顧客は簡単に他社の製品に乗り換えてしまうでしょう。
そのため、CXを重視し、向上させていくことが、企業が競争力を高める上で非常に大切なのです。
カスタマーエクスペリエンス分野のコンサルティング
コンサルティングの役割
カスタマーエクスペリエンス(CX)の分野でのコンサルティングでは、企業が提供するサービスや商品についてだけでなく、顧客対応の面も含めて、専門家が顧客の満足度を上げるためのサポートを行います。
具体的には、顧客のニーズを理解するために、アンケートを実施したり、顧客の行動パターンを分析したり、直接顧客の声に耳を傾けたりします。
顧客の立場に立って物事を考え、集めた情報を入念に分析します。こうして、的確な改善策を企業に提言し最適な解決方法を導き出すのが、CXコンサルタントの重要な役割です。
CXコンサルティングのメリット
CXコンサルタントは専門知識と豊富な経験があるため、素早く的確に顧客ニーズを把握できるでしょう。
経験豊富なコンサルタントの提言を基に、スピーディーに具体的な改善施策を実行に移せるため、企業は効率的にCXの向上を図ることができるのです。
また、コンサルタントは企業の外部の観点があるため、社内の人間では気づきにくい課題を発見しやすくなります。会社の体質に捉われない新鮮な視点から、改善のヒントを発見できるのも大きな強みでしょう。
このような外部の専門家の力を最大限活用することで、企業は顧客満足度の向上と同時に、競合他社との差別化を図ることもできるはずです。
コンサルティングのプロセス
(1)現状分析
まず、企業の現在のCXの実態を詳しく分析するところから始めます。現状分析は、顧客満足度調査や顧客インタビュー、各種データ分析など様々な手法を組み合わせて行われます。
顧客満足度調査では、アンケート形式で顧客一人ひとりの率直な声を拾い上げることであるでしょう。一方で、インタビューで顧客と直接対話をすることで、製品やサービスに対する具体的な不満や課題をより深く掘り下げ行く手法もあります。
顧客の行動履歴やサポート問い合わせの内容などといったデータから、顧客体験の質に影響を与えている要因を特定していくのも大切です。
このような多角的な分析をすることで、顧客がどのようにサービスを利用し、どの場面で問題が起きているのかが見えてくるのです。そのため、企業にとって気づきにくい課題も浮かび上がってくる可能性があります。
(2)戦略立案
続いて、現状分析の結果を基にCXを改善するための具体的な戦略を立案します。
まずは企業としての目的を明確に設定します。例えば「顧客満足度を向上させる」や「リピート購入率を改善する」といった具体的に改善したい経営目標を掲げます。
そして、その目標を達成するための重要な指標(KPI)を定め、進捗を管理できるようにします。KPIには「月間の顧客フィードバック数」「平均対応時間」などが設定されます。
次に、目標とKPIを踏まえた上で、具体的なアクションプランを策定します。カスタマーサポートの改善、ウェブサイトのユーザビリティ向上、コミュニケーションチャネルの導入など、さまざまな施策を計画し、実行の道筋を描くのです。
(3)戦略の実行とモニタリング
戦略が決まったら、いよいよ実行段階に入ります。各部門は事前に立てた計画に沿って、改善策を着実に実施していきます。
例えば、カスタマーサポートチームは、スタッフにしっかりとした研修を行い、顧客対応力を向上させます。ウェブチームは、サイトの使いやすさを改善するために、実際のユーザーテストを繰り返し、ブラッシュアップを重ねていくことが必要です。
こうして戦略を実行した後は、それぞれの施策の効果を確認します。具体的には、顧客の声を継続的に集め、KPI(重要業績評価指標)に設定した数値の変化を定量的に分析します。目標達成に向けて順調に進んでいるのか、課題は何かを確認し、必要であれば戦略を調整していくのです。
このようなプロセスを繰り返し行うことで、企業はCXを継続的に改善し、顧客満足度の向上とビジネスの成長を同時に実現することができるのです。
成功事例
ここでは、パキシーノの支援事例をもとにいくつか事例を紹介します。
脚色しているものの、CXコンサルティングのイメージが掴めるはずです。
(1)IT企業A社のストーリー
A社では、法人向けの営業支援ツールを提供していました。
導入者数が増え、契約後の導入支援に課題を感じられ、弊社へ相談いただきました。
導入支援(オンボーディング)に課題を感じているというお話を伺い、ヒアリングしていくなかで、健康診断のように、まずファクトとしての現状把握の必要性を感じました。
そのため、パキシーノでコンサルタントをアサインし、顧客へのヒアリングを行い、オンボーディング時の課題を吸い上げました。
課題を吸い上げていくなかで、決済者と現場レベルでのモチベーションに大きく差があること、それらをすべてCSで吸収し、事業開発側の改善が必要なことが分かってきました。
現在はCS起点で、事業を改善する仕組み作りを行っています。
(2) 不動産テック企業様のストーリー
弊社でVoC研修をさせていただいたマンションリサーチ様の事例を紹介させてください。
マンションリサーチ様は、不動産×ITを通じて住まいの困ったを解決し、誰もが挑戦できる環境作りに取り組んでいます。
会員数は15万人を超えるなど、多くの顧客基盤を持っています。お客さまの声に真摯に耳を傾け、サービス改善につなげる取り組みをされていました。
一方で、拾ったVoCの活用に悩まれており、弊社に相談を頂きました。
ヒアリングをしていくなかで、VoCは取得しているものの、目的やアプローチの整理をしていくことで、より良い事業開発に繋げられる印象を受けました。
そのため、まず全社員に向け、VoCの活用に関する研修をさせていただきました。
VoCを活用するためのポイント、VoCを鵜呑みにしてはいけない理由などを研修させて頂き、改めて目的から整理する機会を提供させていただきました。
このように、CXコンサルタントは専門的な知見と経験を存分に活かし、企業の抜本的な変革を後押ししてくれる存在です。
まとめ
製品やサービスそのものの品質だけでなく、顧客が企業に対して抱く総合的な印象が、顧客満足度に大きく影響します。
しかし、自社だけでは顧客ニーズを掴み切れず、適切な対策が難しいのが実情です。そこで外部の専門家、CXコンサルタントの力を借りるのは一つの手といえるでしょう。
ビジネスが常に競争の中にあるこの時代では、優れた顧客体験こそが企業の勝ち残りを左右するカギとなっています。本記事を参考に、貴社の事業成長に役立てていただければ幸いです。