【用語集】エスカレーションとは?ビジネスでの意味やフローを解説

ビジネスにおいて問題が発生した際に、上司などの階層や適切な部門に問題を引き上げ、解決を図ることを「エスカレーション」と呼びます。
エスカレーションは、問題に適切に対処するうえで重要なプロセスです。重大なインシデントが発生した際、エスカレーションを実施し、円滑な意思決定を可能にすることで、その後の対応を適切なものにしましょう。
本記事では、エスカレーションの意味やフローについて、詳しく解説します。
エスカレーションとは?
ビジネスにおけるエスカレーションとは、問題や課題が発生した際に、上司などに報告・相談し、解決に向けた支援や判断を仰ぐプロセスのことを指します。
通常時、発生した問題はその管轄内で解決することが望ましいでしょう。
しかし、独自の判断では解決が難しい場合や、重大なインシデントが発生し問題の影響範囲が広い場合は、エスカレーションが必要になります。
エスカレーションというプロセスを経ることで、適切な意思決定が可能になるのです。

エスカレーションのフロー
エスカレーションは、一般的に以下のようなフローで行われます。

①問題の評価と分析
まず、発生した問題を冷静に把握し、その影響範囲や問題の深刻さを評価します。
この段階で、エスカレーションの必要性を判断します。
重大なインシデントの発生後には、できるだけ早い段階でエスカレーションを行うことが大切です。
管轄内で解決できる問題には自分たちで対処することも必要ですが、問題が大きくなる前に、上位層の判断を仰ぐようにしましょう。
事前に、どの程度の問題が発生した際にエスカーションを実施するのか、目安を決めておくことも大切です。
②エスカレーション先の選定
エスカレーション先は、問題の内容や影響範囲に応じて選定します。
通常は、直属の上司や関連部署の責任者などが選ばれるでしょう。
問題解決に必要な権限や影響力を持つ適切な人物を選ぶ必要があるため、問題の内容や影響範囲を踏まえ、適切な階層や部門に報告・相談しましょう。
③エスカレーション先への報告
選定したエスカレーション先に、問題の内容や背景、これまでの対応状況などを報告します。
曖昧な報告では、適切な判断や支援を得ることができません。そのため、問題の内容や背景、これまでの対応状況を明確に報告することが重要です。
報告の際は、問題解決に必要な支援や判断など、要請事項も明確に伝えるようにしましょう。
④解決策の検討と実行
エスカレーション先では、問題の解決策を検討します。
そして、必要に応じて関係者を集めて会議を開きます。解決に向けた方針を決定し、速やかに実行に移すことが必要です。
解決方針を決め、部下に指示を出した後は、部下がどのように動いているのか、進捗を把握するようにしましょう。
⑤結果の報告とフィードバック
問題解決の進捗状況や結果がエスカレーション元に報告されます。
エスカレーションの結果や問題解決の経緯は、関係者で共有することが大切です。
問題の再発防止や対応プロセスの改善につなげるためにも、振り返りを行い、フィードバックを活用しましょう。
エスカレーションを実施するうえで必要なこと
エスカレーションを実施するうえで、以下の事に留意しましょう。
エスカレーションの規定を決めておく
エスカレーションを仰ぐ判断基準を、前もって決めておきましょう。
どのような際にエスカレーションを必要とするのか、会社全体に浸透させることで、エスカレーション実施に関する誤った判断を少なくすることが大切です。
これによって、必要な時にエスカレーションを実施し、スピードをもって問題を解決することができるでしょう。
エスカレーションを実施しやすい環境づくり
問題が大きくなる前に、エスカレーションすることで適切に対処できます。
しかし、場合によっては、自らのミスによって生じた問題に対して負い目を感じ、エスカレーションの実施が遅れる可能性があります。
そのため、「エスカーション実施者の責任は問わない」といったルールを設定し、エスカレーションを実施しやすい環境を整備しましょう。
エスカーション実施後の共有
エスカーションを実施した後に、社内にエスカレーションの実施内容・実施のフィードバックなどを共有するようにしましょう。
そうすることで、「次回に同様の問題が生じた時にどのように対応するべきか」を周知させることができます。
まとめ
エスカレーションは、問題解決のための重要なプロセスです。
問題が発生した際は、エスカレーションを適切に活用し、組織一丸となって問題解決に取り組むことが求められます。
本記事で解説したエスカレーションの意義やプロセスを理解し、実践することで、組織の問題解決力や生産性の向上につなげていきましょう。
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今関 栞
航空会社でキャリアをスタート。これまで約7年、スタートアップ/ベンチャー企業にて、主にCS、及び業務プロセス改善に従事。 CS部門の立ち上げ/運用/改善、チャーンレートの改善やチャーン阻止など実務〜マネジメントを経験。 また、SQLを用いたデータ取得/分析/提案、CRM構築などテクニカルな分野も得意領域。 これまでの担当企業数は数百社にわたる。