カスタマーサクセスに必要な分析とは?|LTVを最大化させるデータ活用法
はじめに
カスタマーサクセスとは、お客様が商品やサービスから最大限の価値を得られるようサポートする活動のことです。お客様の目標達成を長期的に支援し、強い信頼関係を築くことを目的としています。
近年、多くの企業がカスタマーサクセスに注目しています。なぜなら、顧客維持率を向上させ、顧客生涯価値(LTV)を最大にすることが、持続的な成長にとって必要だからです。
では、どのように効果的なカスタマーサクセスを実現することができるのでしょうか?
筆者は、データに基づいた施策が必要だと考えます。
本記事ではカスタマーサクセス分析から活用まで、顧客エンゲージメント向上のためのデータ活用法を解説していきます。
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カスタマーサクセスとは、サブスクリプション型ビジネスを中心に注目が高まっている顧客志向の考え方です。新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の継続的な利用拡大に重点を置いています。カスタマーサクセスの目的や重要性、導入時のポイントなどを解説しつつ、10個の「勝ちパターン」を紹介しています。
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カスタマーサクセスとは
カスタマーサクセスとは、お客様が製品やサービスを使って目的が達成されるようにサポートすることです。
単なるカスタマーサポートとは違い、お客様の成功を積極的に後押しすることが目的です。
カスタマーサクセスの取り組みには以下のようなものがあります。
- お客様の導入支援
- トレーニング
- コンサルティング
- フィードバックの収集と分析
お客様の成功を実現することで、満足度の向上、追加購入や関連商品の購入創出、解約率の低下などの効果が期待できます。
カスタマーサクセスにおける分析の重要性
カスタマーサクセスは、顧客データを活用して、顧客の行動や満足度を理解し、適切な対応を取ることが大切です。
そのためにも、データに基づく意思決定が欠かせません。
さらに、顧客セグメンテーションや予測モデリングなどの手法を用いることで、顧客の行動に合ったPDCAの推進も可能になります。
データ分析の基本
顧客データの収集と管理
カスタマーサクセスの視点で分析を始めるには、まず顧客データの収集が不可欠です。顧客との様々な接点で得られた情報を一箇所に集約し、分析しやすい形で整理することが大切です。
収集する顧客データは、主に以下の3つのカテゴリーに分類されます。
- デモグラフィックデータ:年齢、性別、住所などの顧客属性
- 行動データ:製品の利用状況や購買履歴など
- サポートデータ:問い合わせ内容や対応履歴
これらのデータを収集し、顧客の全体像を把握することで、目的に沿ったデータの組み合わせと分析が可能となり、施策に活用できます。
この際、データの収集と管理には、CRMシステムやデータウェアハウスの活用が効果的です。
CRMシステムを導入することで、営業、マーケティング、カスタマーサポートなどの部門に散在する顧客データを一元管理できます。
また、データウェアハウスを利用すれば、大量のデータを効率的に蓄積・処理することが可能になります。
ただし、データの収集・管理においては、データの品質維持とセキュリティ確保に十分な注意が必要です。
顧客データはカスタマーサクセス分析の土台となる大切な資産です。適切なデータの収集と管理により、的確な意思決定を行うための基盤を築くことができるでしょう。
KPIの設定
データ分析を行う際は、目標達成に向けた進捗状況を測定するために、適切な指標(KPI)を設定することが重要です。
KPI(Key Performance Indicator)とは、会社や部署の目標達成に向けて、重要な指標となる数値のことです。KPIを設定することで、現在の状況を数値化し、改善すべき点を明らかにすることができます。
例えば、顧客エンゲージメントの向上を目的とする場合、顧客エンゲージメントを測定するための数値をKPIとして設定します。
よく使われるKPIには以下のようなものがあります。
- 顧客満足度スコア(CSAT)
- ネットプロモータースコア(NPS)
- チャーンレート(解約率)
- 顧客継続意向度(NRS)
これらのKPIを適切に設定し、定期的に測定・分析することで、カスタマーサクセスの取り組みの効果を評価し、改善につなげることができます。
KPIの設定と分析は、データに基づいた意思決定を行うために欠かせない作業です。
データ分析のためのツールと手法
カスタマーサクセスの分析には、多様なツールや手法が用いられます。
データ分析ツールとしては、Excel、SQL、R、Pythonなどがあり、分析の目的に応じて最適なツールを選択することが重要です。
また、統計分析、機械学習、自然言語処理などの手法を活用することで、顧客データから価値ある洞察を引き出すことができます。
ただし、分析を行う際は、目的を明確に定義し、それに適した手法を選ぶことが大切です。
そして、分析から得られた結果を正しく解釈し、具体的な行動に移しましょう。分析結果を効果的に活用するには、目的意識を持ち、適切な選択を行うことが大切なのです。
データ分析の実践
顧客セグメンテーションとペルソナの作成
顧客セグメンテーションやペルソナを作成することで、目的を持ってデータを分析することが可能になります。また、データの分析結果が顧客セグメンテーションとペルソナの作成に役立つこともあるでしょう。
顧客セグメンテーションとは、顧客を特定の基準に基づいてグループ分けすることです。
具体的には、年齢、性別、住所などの顧客属性(デモグラフィック)、購買行動、利用頻度などの行動データ、さらには顧客の心理的特性などを基準に分類します。
自社の製品やサービスに適した切り口を選んでセグメンテーションを行うことが重要です。
セグメンテーションが完了したら、次はペルソナ(顧客像)の作成に取り組みます。ペルソナとは、各セグメントの典型的な顧客像を具体的に描写したものです。
ペルソナを作成することで、顧客の特徴や行動パターン、ニーズや課題などを深く理解することができます。
これらを適切に行うことで、顧客一人ひとりに合わせた最適なアプローチが可能となり、顧客満足度の向上や売上の拡大につなげることができるでしょう。
顧客エンゲージメントの測定と改善
顧客エンゲージメントとは、顧客が製品やサービスに対して抱く関心や愛着の度合いを表す指標であり、カスタマーサクセスにおいて非常に重要な要素です。
そのため、顧客エンゲージメントの測定と改善は、カスタマーサクセスを実践していくうえで欠かせない取り組みです。
顧客エンゲージメントを測る指標には、先ほど述べたように、顧客満足度スコア(CSAT)、ネットプロモータースコア(NPS)、解約率(チャーン率)、NRS(Net Repeater Score:顧客継続意向度)といったKPIがあります。
また、製品の利用頻度、機能の活用度、コミュニティへの参加度なども、顧客エンゲージメントを測る上で重要な指標となります。
これらの指標を日々注視することで、エンゲージメントが下がり始める原因を発見し、低下を防ぐための施策を迅速に実行することができるのです。
さらに、顧客とのコミュニケーションを密にし、率直なフィードバックを収集・分析することも、エンゲージメント向上に役立ちます。
顧客の声に耳を傾け、ニーズや不満を的確に把握することで、サービスの改善につなげていくことができるのです。
顧客離脱の予測と防止策
顧客の離脱は、カスタマーサクセスにとって大きな課題です。顧客が離れてしまうことを予測し、それを防ぐための対策を講じることは、顧客をつなぎ止める上で効果があります。
離脱を予測する際には、機械学習のアルゴリズムを使うのが一般的です。これまでの顧客データを詳細に分析し、離脱につながりやすい行動パターンを特定します。このようにして、離脱のリスクが高い顧客を早期に発見することができるのです。
また、離脱のリスクが高いと判断された顧客に対しては、手厚いサポートを提供したり、特別なオファーを用意したりするなど、積極的な防止策を講じるのが効果的です。
顧客に寄り添い、満足度を高めることで、離脱を防止することができるのです。
顧客維持は、企業が安定的に成長していく上で欠かせないため、顧客離脱を予測し、防止策を講じることで、顧客との良好な関係性を築きましょう。
分析の活用
製品やサービスの改善につなげる
データ分析から得られた情報を活用し、顧客のニーズに合った機能の追加や改善を行うことで、顧客満足度の向上が期待できます。
顧客の意見を製品開発チームと共有し、協力して製品を改善していきましょう。
また、このような連携は、製品の品質を向上させるだけでなく、顧客中心の組織文化を育てることにもつながります。
営業やマーケティングへの活用
分析から得られた情報は、営業やマーケティングにも活用できます。
例えば、顧客離脱の情報を営業に活用することで、ターゲットを絞った、一人ひとりに合わせた営業活動が可能になるのです。
また、セグメンテーションやペルソナ、顧客のニーズや問題点をマーケティングに活用することで、データに基づいた効果的なマーケティング施策の立案につなげられます。
これらの活用により、一貫した顧客体験を提供し、顧客満足度とロイヤルティの向上を目指すことができます。
組織内で分析から得られた知見を幅広い業務に活用することが、企業の成功に必要なのです。
顧客生涯価値(LTV)の最大化
カスタマーサクセスの最終的な目標は、顧客生涯価値(LTV)の最大化です。
LTVとは、顧客が企業との関係を通じて生み出す長期的な価値のことを指します。
分析で得られた情報を活用し、顧客一人ひとりの成功をサポートすることで、顧客満足度とロイヤルティを高め、LTVの向上につなげることができます。
また、分析から得られた情報を基に、追加販売やクロスセルの機会を見つけ、顧客のニーズに合わせて適切なタイミングで提案することも、LTVの最大化に繋がるでしょう。
企業は、LTVを重要な指標として設定し、継続的に改善に取り組むことが求められます。
分析を通じてLTVを向上させることで、企業は持続的な成長や発展が可能になるのです。
まとめ
効果的なカスタマーサクセスを実現させるために、データ分析が欠かせません。データに基づいた施策を行うことで、顧客エンゲージメントを高め、顧客の成功を支えることができるのです。
顧客データを適切に収集・管理し、KPIを設定しましょう。そして、顧客セグメンテーションやペルソナを作成したり、エンゲージメント測定、離脱予測などの分析を行うことが重要です。
分析から得られた知見は、製品やサービスの改善、営業・マーケティング、顧客生涯価値(LTV)の最大化など、幅広い領域で活用できます。組織全体でデータドリブンな意思決定を行い、顧客中心の文化を育むことが、カスタマーサクセスの成功につながります。
データ分析を効果的に活用し、一人ひとりの顧客に寄り添ったサポートを提供することで、顧客満足度とロイヤルティを高め、企業の持続的な成長を実現できるのです。
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