カスタマーエクスペリエンス(CX)向上に欠かせない！コンサルティングの重要性を徹底解説
1.はじめに
近年、企業が成功を収めるためには優れたカスタマーエクスペリエンス(CX)を提供することが不可欠となっています。
CXとは、顧客が企業の製品やサービスに接する過程で得る総合的な体験のことを指します。製品やサービスの品質はもちろん大切ですが、その購入から使用、アフターサービスに至るまで、顧客が抱く感情や印象がCXを左右するのです。
優れたCXを実現することは、顧客満足度の向上にとどまらず、顧客のロイヤリティ向上や収益増加にも大きな影響を与えます。一方で、自社でCXの改善は決して簡単なことではありません。なぜなら、顧客のニーズを的確に捉え、それに合わせて組織全体で取り組む必要があるからです。
そこで、本記事ではCXコンサルティングの重要性と、コンサルタントが果たす役割について解説していきます。CXコンサルティングを活用することで、企業はCXを徹底的に分析し、効果的な改善策を立案・実行できるようになります。また、CXの具体的な事例も紹介しながら、CXコンサルティングがもたらす様々なメリットを明らかにしていきます。
2.カスタマーエクスペリエンスとは?
(1)カスタマーエクスペリエンスの定義
カスタマーエクスペリエンス(CX)とは、顧客が企業の製品やサービスに触れる過程で抱く総合的な体験のことを指します。
単に製品の性能や価格だけでなく、購入を検討する最初の段階から、実際に購入し利用した後のアフターサポートに至るまで、顧客が企業に対して抱くあらゆる印象が含まれます。
つまり、ウェブサイトの使いやすさやスタッフの対応の良し悪し、ブランドイメージなど、顧客と企業が接する全ての場面におけるプラスの体験とマイナスの体験が、CXを形作る重要な要素となるのです。
(2)カスタマーエクスペリエンスの重要性
近年、CXが企業経営において極めて重要視されるようになった理由は、CXの質が顧客の満足度やロイヤリティを大きく左右するようになったからです。素晴らしい体験を提供された顧客は、その企業への信頼感が高まり、継続して製品を購入したり、他者に製品を薦めたりするようになります。
逆に、ネガティブな体験を抱いた顧客は簡単に他社の製品に乗り換えてしまう危険性があります。つまり、CXの改善は顧客の定着化と新規顧客の開拓の両面で、企業の収益や成長に大きな影響を与えるのです。このようにCXを重視し、絶えず向上させていくことが、企業が競争力を高める上で不可欠になっています。
3.カスタマーエクスペリエンス分野のコンサルティング
(1) コンサルティングの役割
カスタマーエクスペリエンス(CX)の分野でのコンサルティングでは、企業が提供するサービスや商品について、顧客の満足度を上げるためのサポートを専門家が行います。
コンサルタントは、顧客のニーズを理解するために、様々な方法を駆使します。具体的には、アンケートを実施したり、顧客の行動パターンを分析したり、直接顧客の声に耳を傾けたりすることで、顧客が抱えている不満や課題を見逃さないようにしているのです。
そして、集めた情報を入念に分析し、的確な改善策を企業に提言します。顧客の立場に立って物事を考え、最適な解決方法を導き出すことが、CXコンサルタントの重要な役割なのです。
(2)CXコンサルティングのメリット
CXコンサルタントは豊富な専門知識と経験を有しているため、企業は彼らの力を存分に活用することで、素早く的確に顧客ニーズを把握できます。経験豊富なコンサルタントの提言を基に、スピーディーに具体的な改善施策を実行に移せるため、企業は効率的にCXの向上を図ることができるのです。
また、コンサルタントは企業の外部の目線を持っているため、社内の人間では気づきにくい課題を発見しやすくなります。会社の体質に捉われない新鮮な視点から、改善のヒントを発見できるのが大きな強みです。
さらに、コンサルタントはCXに関する高度な専門性を備えています。同業他社の成功事例なども参考にしながら、企業にぴったりの改善策をレコメンドできるのです。こうした外部の専門家の力を最大限活用することで、企業は顧客満足度の向上と同時に、競合他社との差別化を図ることもできるのです。
4.カスタマーエクスペリエンス コンサルティングのプロセス
(1)現状分析
CXコンサルティングでは、まず企業の現在のCXの実態を詳しく分析します。この現状分析は、顧客満足度調査や顧客インタビュー、各種データ分析など、様々な手法を組み合わせて行われます。
顧客満足度調査では、アンケート形式で顧客一人ひとりの率直な声を拾い上げます。一方でインタビューでは、顧客と直接対話をすることで、製品やサービスに対する具体的な不満や課題をより深く掘り下げていきます。さらにデータ分析では、顧客の行動履歴やサポート問い合わせの内容などを解析し、顧客体験の質に影響を与えている要因を特定します。
こうした多角的な分析をすることで、顧客がどのようにサービスを利用し、どの場面で問題が起きているのかが見えてくるのです。そのため、企業にとって気づきにくい課題も、コンサルタントの手によって浮かび上がってきます。
(2)戦略立案
続いて、現状分析の結果を基にCXを改善するための具体的な戦略を立案します。まずは企業としての目的を明確に設定します。例えば「顧客満足度を向上させる」や「リピート購入率を改善する」といった具体的に改善したい経営目標を掲げます。
そして、その目標を達成するための重要な指標(KPI)を定め、進捗を管理できるようにします。KPIには「月間の顧客フィードバック数」「平均対応時間」などが設定されます。
次に、目標とKPIを踏まえた上で、具体的なアクションプランを策定します。カスタマーサポートの改善、ウェブサイトのユーザビリティ向上、新しいコミュニケーションチャネルの導入など、さまざまな施策を計画し、実行の道筋を描くのです。
(3)戦略の実行とモニタリング
戦略が決まったら、いよいよ実行段階に入ります。各部門は事前に立てた計画に沿って、改善策を着実に実施していきます。
例えば、カスタマーサポートチームは、スタッフにしっかりとした研修を行い、顧客対応力を向上させます。ウェブチームは、サイトの使いやすさを改善するために、実際のユーザーテストを繰り返し、ブラッシュアップを重ねていきます。
こうして戦略を実行した後は、それぞれの施策の効果を確認します。具体的には、顧客の声を継続的に集め、KPI（重要業績評価指標）に設定した数値の変化を定量的に分析します。目標達成に向けて順調に進んでいるのか、課題は何かを確認し、必要であれば戦略を調整していくのです。
このようなプロセスを繰り返し行うことで、企業はCXを継続的に改善し、顧客満足度の向上とビジネスの成長を同時に実現することができるのです。
4.成功事例
ここでは、パキシーノの支援事例をもとにいくつか事例を紹介させてください。
脚色しているものの、CXコンサルティングのイメージが掴めるはずです。
(1)IT企業A社のストーリー
A社では、法人向けの営業支援ツールを提供していました。
導入者数が増え、契約後の導入支援に課題を感じられ、弊社へ相談いただきました。
導入支援（オンボーディング）に課題を感じているというお話を伺い、ヒアリングしていくなかで、健康診断のように、まずファクトとしての現状把握の必要性を感じました。
そのため、パキシーノでコンサルタントをアサインし、顧客へのヒアリングを行い、オンボーディング時の課題を吸い上げました。
課題を吸い上げていくなかで、決済者と現場レベルでのモチベーションに大きく差があること、それらをすべてCSで吸収し、事業開発側の改善が必要なことが分かってきました。
現在はCS起点で、事業を改善する仕組み作りを行っています。
(2) 不動産テック企業様のストーリー
弊社でVoC研修をさせていただいたマンションリサーチ様の事例を紹介させてください。
マンションリサーチ様は、不動産×ITを通じて住まいの困ったを解決し、誰もが挑戦できる環境作りに取り組んでいます。
会員数は15万人を超えるなど、多くの顧客基盤を持っています。お客さまの声に真摯に耳を傾け、サービス改善につなげる取り組みをされていました。
一方で、拾ったVoCの活用に悩まれており、弊社に相談を頂きました。
ヒアリングをしていくなかで、VoCは取得しているものの、目的やアプローチの整理をしていくことで、より良い事業開発に繋げられる印象を受けました。
そのため、まず全社員に向け、VoCの活用に関する研修をさせていただきました。
VoCを活用するためのポイント、VoCを鵜呑みにしてはいけない理由などを研修させて頂き、改めて目的から整理する機会を提供させていただきました。
このように、CXコンサルタントは専門的な知見と経験を存分に活かし、企業の抜本的な変革を後押ししてくれる存在です。
5.まとめ
近年、企業が成功を収めるうえで欠かせないものが、より良いCXの提供です。なぜなら、製品やサービスそのものの品質だけでなく、顧客が企業に対して抱く総合的な印象が、満足度を大きく左右するからです。
しかし、自社だけでは顧客ニーズを掴み切れず、適切な対策が難しいのが実情です。そこで外部の専門家、CXコンサルタントの力を借りるのが有効な策となります。
コンサルタントは、アンケートや顧客の声に耳を傾けるなどして、企業の現状を細かく分析します。そして第三者の目線から、課題の本質を見抜き、改善のための改善策を提示してくれるのです。施策の実行過程でも、進捗を確認しながら適切なアドバイスを続けてくれます。
このように外部の専門家と協力することで、企業は機動力を持ってスピーディーに顧客ニーズに応えられるようになります。実際に、多くの企業がコンサルタントと共にCX改善に取り組むことで、顧客満足度の飛躍的な向上や売上の拡大を実現してきました。
ビジネスが常に過酷な競争の中にあるこの時代、優れた顧客体験こそが企業の勝ち残りを左右するカギとなっています。そのため、CXコンサルタントの専門性を取り入れ、客観的な視点と経験に基づくアドバイスを活用することが不可欠なのです。外部の力を最大限に活用することで、企業は確実に顧客満足を高め、持続的な成長を実現できるはずです。
