カスタマーサクセスの成功事例6選|事例から学ぶ成功の秘訣とは?
「どの企業が、どのような手法でカスタマーサクセスを実行しているのか知りたい」
「自社以外のカスタマーサクセスの取り組みを参考にしたい」
と考えている方は多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では、カスタマーサクセスを実践している企業の事例を紹介します。
事例から分かるカスタマーサクセス成功のポイントも整理したので、ぜひ最後までご覧ください。
パキシーノでは、カスタマーサクセスをお仕事としている方・これからやってみたいという方・基礎知識をインプットしたい方向けに「カスタマーサクセス専門用語ブック」を配布しています。用語の解説はもちろん、皆様の業務にお役立ていただける情報を記載しております。
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カスタマーサクセスとは
カスタマーサクセス(Customer Success)とは、顧客との関係を深め、顧客が自社の製品やサービスを最大限に活用できるよう支援し、顧客の収益増加や、期待する結果を実現しビジネスを成功に導く取り組みです。
カスタマーサクセスを実施し、顧客のビジネス上の成功を重視することで、顧客と長期的な関係を築き、自社の長期的なビジネス成長を実現します。
具体的には、オンボーディングプロセスなどを整備し、新規顧客がスムーズに製品を導入できるようサポートします。
また、顧客の利用状況をデータとして分析し、必要なサポートを提供することや、トレーニングやマニュアルを通じて顧客の理解を深めることも重要です。
カスタマーサクセスに取り組み、成功している企業
ここからは、実際にどのような企業がカスタマーサクセスの取り組みで、ビジネス成長を実現しているのかを紹介していきます。
株式会社セールスフォース・ジャパン
株式会社セールスフォース・ジャパンは、クラウドベースのソフトウェア企業であり、主に顧客関係管理(CRM)ソリューションを提供しています。
株式会社セールスフォース・ジャパンは、「カスタマーサクセス」モデルを2000年代初頭から推し進めてきた企業です。
2005年にカスタマーサクセス組織を立ち上げており、様々な取り組みを進めてきました。
具体的な取り組みとしては、カスタマーサクセスマネージャー(CRM)という役職をおき、解約を防ぐためにヒヤリングを行ったりしています。
カスタマーサクセス実現のための指標も細分化しており、ツール活用によって顧客が効果を感じることができるよう、ユーザー企業の成功状況を数値化した独自の「ヘルススコア」や「エンゲージメント拡大」といったKPIを定めています。
また、コミュニティ運営にも力を入れており、株式会社セールスフォース・ジャパンを活用して成功を収める顧客を「trailblazer」とし、顧客同士が繋がり、助け合うためのプラットフォーム「trailblazer community」を運営しています。
株式会社セールスフォース・ジャパンは、無料の学習プラットフォーム「trailhead」も提供しています。
参考:https://www.sbbit.jp/article/sp/84815
株式会社セールスフォース・ジャパンのサービスサイト:https://www.salesforce.com/jp/
株式会社SmartHR
株式会社SmartHRは、クラウド型の人事労務管理ソフトウェアを提供している企業です。
株式会社SmartHRは、オンボーディングで、一貫したサービスを提供できるように、オンボーディングのゴールを「お客さまの独り立ち」と定義しています。
そして、ゴールに向けてのフローを「キックオフ」「トレーニング」「状況確認」「クロージング」の4つのステップに分解し、オンボーディングのプロセスを視覚化するために独自のリストを作成しています。
また、カスタマーサクセスが持つノウハウを体系化する取り組みを進めています。
このような取り組みにより、圧倒的な顧客継続率を実現しています。
参考:https://www.fastgrow.jp/articles/smarthr-takahashi-sudare
株式会社SmartHRのサービスサイト:https://smarthr.jp/
イタンジ株式会社
イタンジ株式会社は、不動産賃貸取引の円滑化を目指し、さまざまなサービスの開発・運営を行っています。
同社のミッションは「テクノロジーで不動産取引をなめらかにする」ことであり、不動産会社向けのシステム提供や、一般消費者向けの不動産サービス提供を主な事業内容としています。
主なサービスには、賃貸管理業務を効率化する「ITANDI BB」や、仲介業務をサポートする「nomad cloud」などがあります。
カスタマーサクセスの取り組みをしていく中で、テックタッチで効率を重視しながらも、顧客のニーズを把握できるようにしています。
具体的には、テックタッチの取り組みとして、ユーザーに向けたガイドを作成し、セルフオンボーディングを促進することを進めています。
一方で、契約社数の増加に伴ってCSの業務時間が増加していく状況で質を担保できるよう、仕組みや体制の改善を進めています。
ユーザーの利用状態を検知できるアラートを設置し、状況に応じてフォローしたり、アップセル・クロスセルを実施しています。
参考:https://mag.ga-tech.co.jp/careers/mag/12144/
https://onboarding.co.jp/blog/interview_4
イタンジ株式会社のサービスサイト:https://www.itandi.co.jp/
Sansan株式会社
Sansan株式会社は、法人向けの名刺管理サービスを提供する企業であり、デジタル名刺管理を通じてビジネスの効率化を図っています。
カスタマーサクセス本部を設置しており、顧客との関係構築を重視し、顧客のニーズに応じたサポートを提供しています。
具体的には、運用提案などを行ってサービスを活用し、顧客が描くビジョンを達成できるよう伴走しています。
また、カスタマーサクセス部の組織力を強化するため、顧客の企業を「組織」「人」「ビジョン」の観点から分析し、それを明確にするフレームワークを作成しています。
企業規模によって、組織構造が多様で複雑になる中で、質の良いカスタマーサクセスを提供できるようにしています。
参考:https://jp.corp-sansan.com/mimi/2023/10/interview-78
Sansan株式会社のサービスサイト:https://jp.sansan.com/
スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社
スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社は、コーヒーショップ業界でのカスタマーサクセスの先駆者とも言える企業です。
顧客体験の向上を重視し、店舗でのサービス向上やリワードプログラムの充実を図っています。
特に、モバイルアプリを通じて顧客の嗜好を分析し、それに基づいたパーソナライズされたサービスを提供することで、顧客の満足度を高めています。
また、顧客の声を積極的に収集し、そのフィードバックをサービス改善に活かす取り組みも行っています。
参考:https://www.starbucks.co.jp/mobileorder/guide/
スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社のサービスサイト:https://www.starbucks.co.jp/
花王株式会社
花王株式会社は、化粧品や日用品を扱う大手企業であり、カスタマーサクセスを通じて顧客との信頼関係を築いています。
「DX戦略推進センター」内に「カスタマーサクセス部」を設置しています。
顧客の行動データを分析したり、顧客のニーズを理解するためのリサーチを行い、その結果を基に製品開発やマーケティング戦略に反映させています。
また、顧客とのコミュニケーションを強化するため、SNSやオンラインプラットフォームを活用し、顧客からのフィードバックをリアルタイムで受け取り、迅速に対応する体制を整えています。
参考:https://markezine.jp/article/detail/39223
花王株式会社のサービスサイト:https://www.kao.com/jp/
カスタマーサクセスを成功させるポイント
カスタマーサクセスの事例から、カスタマーサクセスを効果的に実施し、成功に導くためには、そのポイントをまとめました。
1. オンボーディングプロセスの設計
新規顧客が製品やサービスをスムーズに導入できるよう、体系的なオンボーディングプロセスを設計します。
導入時の最初の一定の期間を「オンボーディング」、最初のミーティングを「キックオフミーティング」と呼ぶケースが多いです。
課題のヒアリングやゴールを設定し、サービスの利用をどれだけ促進できるか、その中からどれだけ成果を発揮できたかが最も重要なポイントです。
この成果が担当者の信頼にもつながります。
逆に成果を得られないとチャーンに影響を及ぼすケースが多々あります。
成功体験が、カスタマーサクセスに導く第一歩です。
2. 顧客データの活用
顧客の利用状況やフィードバックをデータとして収集し、分析することで、顧客のニーズや問題点を把握することが可能です。
データを活用することで、お客様が必要なタイミングで、必要としている改善策を迅速に提供できるようになります。
3. 定期的なコミュニケーション
顧客との定期的なコミュニケーションを行い、関係を深めることが重要です。
定期的なフォローアップミーティングやフィードバックセッションを通じて、顧客の状況を把握し、必要なサポートを提供します。
当たり前のようで中々難しい、即レスを心がけることもカスタマーサクセスに導くポイントです。
4. 教育の提供
顧客が製品やサービスを最大限に活用できるように、トレーニング資料やオンラインセミナーなど、様々な形式で教育リソースを提供します。
顧客が自分のペースで学べる環境を整えることが大切です。
5. KPIの設定とモニタリング
カスタマーサクセスの効果を測定するための指標(KPI)を設定し、定期的にモニタリングします。
ヘルススコアなどのKPIの設定によって、成功の度合いや改善が必要な領域を明確に把握できます。
6. 顧客フィードバックの活用
顧客からのフィードバックを積極的に収集し、それを基にサービスや製品の改善を行います。
顧客の声を反映させることで、より良い顧客体験を提供し、信頼関係を築くことができます。
まとめ
本記事では、企業が取り組んでいるカスタマーサクセスや、カスタマーサクセスを成功に導くポイントを解説しました。
成功事例から学び、カスタマーサクセスを実行していくことが大切です。
パキシーノ株式会社では、顧客体験を重視したコンサルティングサービスも提供しています。
興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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- 小規模な企業でもカスタマーサクセスを実施できますか?
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小規模な企業でもカスタマーサクセスを実施することは可能です。リソースが限られている場合でも、顧客との定期的なコミュニケーションやフィードバックの収集、シンプルなオンボーディングプロセスの導入を通じて、カスタマーサクセスを実施できます。また、カスタマーサクセスに力を入れることで、他社と差別化が可能になります。
- カスタマーサクセスを導入すると、企業にはどのようなメリットがありますか?
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カスタマーサクセスを導入することで、顧客との長期的な関係を築くことができ、顧客の継続率が高まります。また、顧客の成功が企業の成長に直結するため、アップセル、クロスセルの機会が増えます。さらに、顧客からのフィードバックをもとに製品やサービスを改善することで、競争力も向上します。