リリースから1年で大企業からの問い合わせが増加。自社リソースを活かした新規事業立ち上げの裏側

ソフトウェア製品SaaSツールを主力事業として展開する企業様インタビュー

特定のソフトウェア製品を主力事業として展開する企業様。長年安定した収益を上げてきた一方で、特定製品への依存から脱却し、新たな事業の柱を作りたいという課題を抱えていました。しかし、社内リソースやノウハウの不足が壁となり、新規事業の立ち上げは難航を極めたのです。

そこで導入されたのが、パキシーノの「新規事業支援サービス」です。導入後、市場のリアルな需要を裏付けたうえで、社内エンジニア主導による新たなSaaSツールの開発に成功。現在では月に5〜10件の商談を獲得し、導入企業のすべてが2年目の契約更新を行うほど、確かな成長を遂げています。

支援前の課題

  • 既存の主力製品に依存した事業体制からの脱却
  • 自社内における新規事業立ち上げノウハウの不足
  • M&Aでの事業買収による新規事業立ち上げの難航

支援後の効果

  • 外部支援の活用による新規SaaSツールの立ち上げ
  • コンテンツSEO施策による継続的かつ安定した商談獲得
  • 導入企業全社の契約更新を実現するサービスの構築

支援内容

パキシーノは、某ソフトウェア企業様の新規事業立ち上げを、アイデア創出からリリース後の成長支援まで一貫して伴走しました。

初期フェーズでは、既存事業との親和性を軸に約30の事業アイデアを提示。「企業のコーポレート部門における特定の管理業務」という切り口を見出し、スポットコンサルサービスを活用した約40名へのユーザーインタビューにより、国内市場の需要を定量的に検証しました。

開発フェーズでは、本番運用に耐えるサービス水準での立ち上げを方針として決定。並行してオウンドメディアの構築・キーワード戦略の策定・外部ライターの採用支援を行い、ブログ経由の商談獲得チャネルを整備しました。

リリース後は、カスタマーサクセス体制の構築、導入事例の作成支援、月次定例での営業戦略の壁打ちを継続し、全契約企業の2年目更新を実現するサービス品質の向上をともに推進しています。

特定製品依存からの脱却へ。M&Aの壁を越えて見いだした外部支援という選択

増田

弊社にお声がけいただいた当時、御社では特定のソフトウェア製品に依存した事業構造から脱却し、新規事業を立ち上げたいという課題をお持ちでした。あらためて、新規事業の検討を始めた背景や、当時の社内体制についてお聞かせください。

担当者様

弊社は長年、あるソフトウェア製品を主力事業として展開しており、いわばその1本足で成り立っている状態でした。7〜8年前から、新たな柱となる事業を育てたいという思いはあり、若手社員を中心にプロジェクトチームを立ち上げました。

ただ、有力なメンバーほど既存事業の中心を担っており、新規事業に十分な時間を割けなかったのが実情です。

増田

自社での立ち上げが難航したあと、外部の力を借りる選択肢も検討されたかと思います。最初はどのような方法を考えられたのでしょうか。

担当者様

ゼロから事業の着想を生み出すのは難しいと判断し、まずはM&Aによる事業買収を検討しました。実際に提案まで進んだ案件もありましたが、最終的には競合に取られてしまいました。

このままM&Aだけで進めるのは難しいと感じて、次の手段として外部支援を探し始めました。複数の会社に話を聞くなかで、初期費用が大きい提案ではなく、スモールスタートで柔軟に始められる支援を求めていた流れです。

30の事業アイデアと徹底したユーザーインタビュー。市場ニーズを見極めたプロセス

増田

実際に伴走支援が始まってから、どのように新規事業のアイデアを固めていったのか、振り返っていきたいと思います。まず取り組んだのは、御社がどの領域で新規事業を展開するべきか、方向性を定めることでした。

既存の主力事業であるソフトウェア製品がBtoBのコーポレート領域にあったため、親和性の高い領域から離れた領域まで含めて、約30の事業アイデアをご提示しています。

私自身が顧客課題を具体的に思い描ける領域を意識しながら、近いものと遠いものを織り交ぜて整理しました。

担当者様

提示いただいた案のなかから、まずはIT系のBtoBにあたるテーマをいくつか絞り込みました。その過程で、「企業のコーポレート部門における特定の管理業務」に関するアイデアに関心を持ち、海外の事例を調べ始めたのが出発点です。

海外ではすでにその課題を解決する市場が立ち上がっており、日本でも十分に成立するのではないかと感じました。

増田

新規事業がうまくいかない要因のひとつに、市場ニーズを確かめる前にプロダクトを作ってしまうことがあります。そのため、現場でどのような課題が起きているのかを聞くユーザーインタビューをご提案しました。振り返ってみて、どのように受け止められましたか。

担当者様

それまで、ゼロからユーザーインタビューを進めた経験はありませんでした。ただ、新規事業に関する書籍でも「まず顧客に会うこと」が重要だと繰り返し述べられていますし、増田さんからも事前調査の大切さを聞いていたので、自然に動くことができました。

具体的には、スポットコンサルサービスを活用し、製薬、金融、メーカーなど、さまざまな業種の担当者に話を聞いていきました。

増田

実際にインタビューを重ねるなかで、事業化の判断材料になるような手応えは得られたのでしょうか。

担当者様

約40人にユーザーインタビューを行った結果、該当する管理業務をExcelで運用している企業が非常に多いことがわかりました。しかも、作業の煩雑さに悩んでいるケースが目立っていたんです。

あわせて、PowerPointで作成した画面イメージを見せながら、「こうした業務を自動化できるツールがあれば使いたいですか」と聞いたところ、ほぼすべての担当者から前向きな反応をいただきました。

この結果を受けて、国内でも十分な需要があると確信できました。

扱う情報の重要性を踏まえ、実運用に耐える形で開発を始動。社内リソースも活かして立ち上げを加速

増田

事業計画の承認後は、MVPで検証を進めるケースも多いと思います。今回の開発は、どのようなアプローチで進めたのでしょうか。

担当者様

当時は、検証用の簡易ツールを試していただけるような、関係性の深い企業がありませんでした。そのため、最初から本番の営業活動に耐えられる水準のサービスを用意する方針を取りました。 

増田

開発と並行して、マーケティングの準備も進めています。このプロダクトの領域はBtoB向けの重厚なプロダクトです。

ライトな手法より、コンテンツを着実に積み上げる戦略のほうが有効だと判断したので、オウンドメディアを構築する手法をご提案しました。自社サイトのドメインパワーが強かったのも理由のひとつです。

担当者様

はい。その提案を受けて、秋の展示会に向けてホームページを立ち上げ、あわせてWebマーケティングの基盤づくりも進めました。

当初は記事のネタづくりに不安もありましたが、外部ライターの探し方まで支援いただけたのは助かりました。現在も月8本ほどのペースで、ブログ記事の公開を継続しています。

増田

検索ボリュームを調べたところ、十分に市場があると判断できました。そこで私からキーワードのリストをお渡しし、記事の方向性を一緒に整えていきましたね。

実際、ブログを起点にした施策にはどのような手応えがありましたか?

担当者様

結果として、もっとも多くの問い合わせにつながっているのはブログ経由です。

ブログ記事やホワイトペーパーのダウンロードをきっかけに商談へ進むケースも増え、今では重要な集客チャネルに育っています。

マーケティング施策のなかでも費用対効果が高く、特に手応えを感じている部分です。

リリースから1年。顧客の声を手応えに、営業の勝ち筋を探る

増田

プロダクトのリリースから、ちょうど1年が経ちました。あらためて、現在の導入状況やお客様の反応についてお聞かせください。

担当者様

現在ご契約いただいているすべてのお客様に、2年目の契約を更新していただきました。導入の決め手となったのは、当初の仮説通り、「Excelでの管理業務が煩雑」という課題意識でした。

実際にSaaSツールをご利用いただいた結果、業務が楽になった、使いやすくなったという声も届いています。

増田

2年目の更新を迎えられたのは、大きな成果ですね。リリース後の現在は、私もカスタマーサクセスの観点から、継続率を高めるための体制づくりや事例化の支援を中心に伴走しています。

毎月の定例ミーティングでは、日々の問い合わせを次の商談や提案にどうつなげるかといった営業面の動きについても話しています。足元の商談状況はいかがでしょうか。

担当者様

商談ベースでは月に5〜10件ほど進んでおり、3月頃からは大企業からの問い合わせも来ています。あわせて、競合製品と比較検討される場面も増えています。

機能面では、以前よりかなり追いついてきており、主要な部分では当社でも対応できる水準になってきました。

一方で、細かな機能面ではまだ改善の余地もあり、引き続き開発を進めているところです。価格面も含め、以前より戦いやすくなってきたと感じています。

現場の声に寄り添いながら、堅実に育てる。アイデアゼロから進めた伴走型の新規事業支援

増田

これまでのパキシーノの支援を振り返って、どのような点に価値を感じておられますか?

担当者様

すべての始まりは、新規事業の種になる「特定の管理業務における課題」を見つけて、提案リストに入れていただいたことでした。私たちだけでは気づけなかった領域を示していただき、事業化のきっかけを得られたことに感謝しています。

加えて、導入事例は実名でなければ作れないと思い込んでいたときに、「匿名でも作成できる」と助言をいただいたことも印象的でした。

本業と兼務しながら進めていると、どうしても視野が狭くなったり、抜け漏れが出たりします。そうした部分を継続的に補ってもらえたのは、とても心強かったですね。

増田

そう言っていただけて光栄です。ただ、私たちが出したアイデアを実際に事業として形にできたのは、担当者様の着実な実行があったからこそだと思います。

多くのケースでは、責任者自らお客様に会いに行って要件を固め、コンテンツを作り、商談を重ねながら動き続けるのは簡単ではありません。

担当者様の高い実行力に加えて、短期的な成果を急がず、新しい挑戦を受け止める御社の柔軟な組織風土も、今回の立ち上げを後押しした大きな要素だったと感じています。

最後に、これから新規事業の立ち上げを検討している企業様へ、メッセージをお願いします。

担当者様

私たち自身、最初から具体的な事業アイデアや明確な課題意識を持っていたわけではありません。「とにかく新規事業を始めたい」という思いからのスタートでした。

それでも、パキシーノの支援を受けるなかで、事業の方向性や進め方が少しずつ見えてきました。自社にアイデアやノウハウがなくて悩んでいる企業様も、まずは相談してみるとよいかもしれません。

新規事業を形にするための、有益な第一歩になるのではないでしょうか。