ゼロから始めるオウンドメディア構築の進め方|立ち上げから運用、費用まで解説

マーケティング担当Aオウンドメディアをつくりたいけれど、何から準備すればいいか見当がつかない…



失敗しないためには、どうしたらいいんだろう?
こんなふうに悩んでいませんか?
オウンドメディアを初めて立ち上げるとなるとハードルの高さを感じますよね。
しかし、正しい手順で作り、コツコツ運営していけば、広告費をかけずに安定してお客様を集められるようになります。
この記事では、専門知識がなくてもスムーズに進められるよう、難しい専門用語はかみ砕いて解説していきます。
立ち上げの全手順から集客に欠かせないSEO対策まで一緒に見ていきましょう!
なぜ今、オウンドメディア構築が必要なのか


そもそも、なぜ多くの企業がオウンドメディア構築に取り組んでいるのか、気になりませんか?
知っておくと、「自分たちには本当に必要なのか?」を判断しやすくなります。
自分の会社で持つ「資産になるメディア」
オウンドメディア(Owned Media)とは、直訳すると「自社が所有する媒体」のことです。
広義にはパンフレットや広報誌も含みますが、Webマーケティングの文脈では自社運営のブログ、Webマガジン、採用サイト、コーポレートサイトなどを指します。
なぜ今、広告ではなくオウンドメディア構築なのか?
今注目されている背景には「広告費が高くなっていること」や「情報の探し方が変わってきていること」があります。
昔はWeb広告を出せば比較的安価に集客できましたが、ライバルが増えたことで広告費は年々上がっています。
また、私たちユーザー自身も「あからさまな売り込み」を嫌うようになり、広告をスルーして自分で検索して情報を探すようになりましたよね。
オウンドメディアは、ネット上の「自社ビル」や「マイホーム」のようなものです。
広告(賃貸)はずっと家賃を払い続けなければなりませんが、オウンドメディア(持ち家)は一度構築して育てれば、広告費をかけずに集客し続ける強力な資産となります。



過去に書いた記事を、時間が経っても読者に
見つけてもらえるのが魅力です!
そこで重要になるのが、ユーザーにとって役立つ情報を提供し、信頼関係を築くことです。「この会社の情報は役に立つな」「このブランドなら信頼できるな」と感じてもらえるよう、企業自ら発信することが、今の時代とても重要になっているのです。
失敗しないオウンドメディア構築の4ステップ【立ち上げ手順】


ここからは、実際にオウンドメディアを構築するための具体的な流れを解説します。
いきなりサイトのデザインを作るのではなく、前半の「設計」に時間をかけることが成功への近道です。
STEP1:目的(KGI)と目標(KPI)の策定
まずは「何のためにメディアを作るのか」をはっきりさせましょう。なんとなく「他社もやっているから」という曖昧な理由では、運用は続きません。
- KGI(最終ゴール): 売上アップ、採用のエントリー数を増やす、知名度を上げるなど
- KPI(中間目標): 月間のアクセス数、お問い合わせ件数、資料ダウンロード数など
例えば、「採用強化」が目的であれば、面白い記事でアクセスを集めることよりも「社員インタビュー記事を読んだ後のエントリー率」の方が大切になってきますよね?



目的によって、作るべきコンテンツもデザインも全く違ってくることを知っておきましょう!
STEP2:ターゲット(ペルソナ)の詳細設定
「誰に読んでほしいのか」を具体的にイメージします。「30代男性」といった大枠ではなく、実在する人間のように詳細なペルソナ(架空の顧客像)を設定しましょう。
- 氏名・年齢: 佐藤健太さん(32歳)
- 職業・役職: 中小企業の総務担当、係長クラス
- 悩み: リモートワーク導入で、勤怠管理が複雑になって困っている
- 情報収集手段: 通勤中にスマホでGoogle検索、X(旧Twitter)を見たりする
ペルソナが明確になれば、「佐藤さんが通勤中にスマホで読むなら、文字が多すぎる記事は避けよう」「専門用語ばかりの解説よりも、まずはツール比較のわかりやすい記事が必要だな」といった具体的な戦略が見えてきます。
STEP3:コンセプトとカスタマージャーニー設計
設定したターゲットが、どのような気持ちの変化を経てゴールに至るかを考えます。これを専門用語で「カスタマージャーニー」と呼びます。
- 認知: 検索して、悩み解決の記事を見つける
- 興味: 記事を読み、「この会社は詳しいな」と信頼する
- 比較: 自社製品の導入事例記事を読む
- 行動: 資料請求をする
この流れを作るために、メディア全体のコンセプト(テーマ)を決めます。
「総務担当者の救世主」や「日本一わかりやすい業界ガイド」など、ブレない軸を決めておきましょう。
「でも、具体的にどうやって地図(カスタマージャーニー)を描けばいいの?」と迷ってしまった方は、以下の記事で作り方を詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。


STEP4:サイトデザイン・UI/UX設計
コンセプトが決まったら、実際のサイト作りに入ります。
ここでは「かっこよさ」よりも「読みやすさ(UI/UX)」を重視してください。
- スマホでの表示崩れはないか(レスポンシブ対応)
- 文字の大きさや行間は読みやすいか
- 関連する記事へのリンクは見つけやすいか
特にオウンドメディアの場合、主役は「記事の中身」です。装飾過多なデザインよりも、白背景に黒文字をベースとした、シンプルで清潔感のあるデザインの方が好まれます。
「UI/UX(ユーザー体験)」について基礎から詳しく知りたい方は、以下の記事もおすすめです。


オウンドメディア構築に最適なCMSの選び方


オウンドメディアを作るための土台となるシステムを「CMS(コンテンツ管理システム)」と呼びます。
プログラミングの知識がなくても、ブログ感覚で記事を投稿・更新できる便利なツールです。
WordPress(ワードプレス)が選ばれる4つの理由
CMSには様々な種類がありますが、オウンドメディア構築においては、世界シェアNo.1のWordPress(ワードプレス)を選んでおけば間違いありません。
WordPressをおすすめする理由
- 自由度が高い: デザインや機能を自由に追加・変更できます。
- SEOに強い: 内部構造がGoogleに評価されやすい形になっています。
- 情報が豊富: 利用者が多いため、トラブル時の解決策やカスタマイズ方法がすぐに見つかります。
- コストパフォーマンス: ソフトウェア自体は無料で利用でき、サーバー代などの維持費のみで運用が出来ます。
他にも「note」や「はてなブログMedia」などのサービスもあります。
これらはサーバー契約不要で手軽に始められるのがメリットですが、デザインの自由度や「自社の資産」として残すことを考えると、やはりWordPressでの構築が一番のスタンダードと言えます。
構築段階で決めるべき「SEO・キーワード戦略」


オウンドメディア構築において、切っても切り離せないのが*「SEO(検索エンジン最適化)」です。
*SEO (search Engine Optimization)検索アルゴリズムに基づき、関連性・品質・信頼性を高める最適化手段
どれだけ素晴らしい記事を書いても、検索結果に表示されなければ誰にも読んでもらえませんよね。
なぜオウンドメディアにSEO対策が必須なのか
広告枠にお金を払えばすぐに表示されますが、クリックされるたびにお金がかかります。
一方、SEOで自然検索の上位(1ページ目)を獲得できれば、費用をかけずに継続的なアクセスが見込めます。
特にオウンドメディアは、ユーザーが抱える「悩み」や「疑問」に対して回答を用意することで、まだ自社を知らない未来のお客様(潜在層)との接点を作るのに最適なんです。



お悩みを抱えてる段階の方に寄り添った
情報提供するのがポイントです!
ユーザーの「検索意図」を理解したキーワード選定
SEOの基本はキーワード設定です。これはユーザーがGoogleの検索窓に入力する言葉を予測し、それに対する答えを用意する作業です。
例えば、「勤怠管理システム」という商品を売りたい場合、いきなり「勤怠管理システム おすすめ」という
キーワードばかり狙ってはいけません。ライバルが強すぎるからです。
ユーザーの悩みを深掘りし、以下のようなキーワードも拾っていきます。
- 「タイムカード 集計 面倒」
- 「リモートワーク 勤怠 どうする」
- 「残業時間 計算 エクセル」
これらのキーワードで検索する人は、まだシステムの導入を検討していないかもしれませんが、将来のお客さんになる可能性が高い層です。
記事の設計図「コンテンツマップ」の作成方法
選定したキーワードをリストアップし、どの順番で記事を書くかを整理したものを「コンテンツマップ」と呼びます。
- 集客記事(PV狙い):たくさんの人を集めるための記事(お悩み解決系)
- 成約記事(CV狙い):申し込みに近い記事(商品の比較や事例紹介など)
この導線を設計するために、コンテンツマップの作成は構築段階で行うべき重要なプロセスとなります。
ツールとしては「Googleキーワードプランナー」や「ラッコキーワード」などを活用して、需要のあるキーワードを探してみましょう!
オウンドメディア構築にかかる費用の目安(相場)


オウンドメディアの構築費用は、「誰に依頼するか(自社、フリーランス、制作会社)」や「どの程度の規模で作るか」によって、0円(自作)から300万円以上(大手コンサル)まで大きく変わります。
また、初期費用だけでなく、サーバー代や記事制作費といった「ランニングコスト」も予算に組み込んでおく必要があります。
具体的な依頼先別の相場や、見積もりの内訳については、以下の記事で詳しく解説しています。「予算どれくらい組めばいいの?」と迷っている方は、ぜひこちらも合わせてチェックしてみてください。
▼【関連記事】費用相場の詳細はこちら


構築前に知っておきたい3つの注意点とリスク


オウンドメディア構築において、多くの企業がやってしまいがちな失敗や注意すべきポイントをまとめました。
すぐに成果は出ない(長期戦であること)
オウンドメディアは、野菜を育てるような「農耕型」のマーケティングです。
種をまき(構築)、水をやり(記事執筆)、ようやく芽が出る(上位表示)までには時間がかかります。



成果が出るには最低でも「半年~1年」待ちましょう!
「来月の売上をなんとかしたい」という短期的な課題解決には向きません。焦らず、じっくり育てるつもりで取り組んでいきましょう!
YMYLジャンルへの参入障壁
YMYLとは「Your Money or Your Life」の略で、お金や健康、生命に関わるジャンルのことです。Googleはこのジャンルに対して非常に厳しい評価基準を設けています。
医療、金融、法律などの分野でメディアを作る場合、専門家(医師や弁護士など)の監修がないと、検索上位に表示させるのは難しいのが現実です。自分たちのビジネスがこのジャンルに当てはまるかどうか、事前に確認しておきましょう。
継続的なリソース(人・予算)の確保
「担当者が他の業務と兼任で忙しくなり、更新が止まってしまった。」これがオウンドメディア失敗の最大の原因です。
- 誰が編集長をやるのか?
- 誰が記事を書くのか?
- ライターさんに頼む予算はあるか?
これらを最初に決めて、無理のない更新スケジュールを立てることが重要です。「毎日更新」を目指す必要はありません。質の高い記事を「週1本」でもいいので、継続することの方が価値がありますよ。
まとめ:オウンドメディアは企業の資産になる


オウンドメディア構築は、決して簡単な道のりではありません。
戦略を立てることから始まり、地道に記事を書いて改善していく必要があります。
しかし、きちんと育てたメディアは、広告に頼らなくても人を集めてくれます。そして、お客様に長く愛されるブランドをつくる大切な財産になります。
「難しそうだな…」と足踏みをする必要はありません。まずは小さく始めて、データを見ながら育てていくのが現代のWebマーケティングの正解です。
まずはSTEP1の「目的の明確化」から、今日始めてみてみましょう!


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よくある質問(FAQ)
ここでは、オウンドメディア構築について初心者の方が抱きがちな疑問に、Q&A形式でお答えします。
- オウンドメディア構築にはどのくらいの期間が必要ですか?
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企画・設計からサイト公開まで、一般的には3ヶ月〜6ヶ月程度かかります。
内訳としては、戦略設計に1ヶ月、サイト制作に2ヶ月、初期コンテンツ(記事)の準備に1ヶ月程度を見込むとスムーズです。公開後、SEO効果が出てアクセスが安定してくるまでには、さらに半年〜1年程度の運用期間が必要です。 - 記事は社内で書くべきですか?外注すべきですか?
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理想は「社内の専門知識」と「プロのライティング力」のハイブリッドです。
専門性が高い内容は社内担当者が原案を作り、読みやすく整える部分をプロのライターに依頼するのが品質と効率のバランスが良いでしょう。リソースが全くない場合は完全外注も可能ですが、その場合でも構成案のチェックなどは社内で行うことをおすすめします。 - WordPress以外のツールでおすすめはありますか?
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手軽に始めたい場合は「note(ノート)」の活用も有効です。
サーバー契約などが不要で、アカウント作成だけですぐに発信を始められます。集客力やドメインの強さはプラットフォームに依存しますが、初期コストをゼロにして「情報発信のテスト」をするには最適なツールと言えます。本格的な運用が決まった段階で、独自のWordPressサイトへ移行することも可能です。
